Amazonベストセラー『がん治療選択』の続編を綴る。
9月16日(木)
午後2時、がんセンターのドトールコーヒーで、いつものように診察時間を待っていた。予定よりも早く呼び出し機が鳴る。まだ飲み残していたアイスコーヒーをゴミ箱に捨てて、診察室に向かう。
内視鏡科の門田先生がイスに座っていた。
「で、生検の結果は、変わりませんでしたね」
「ガンではなかった、と」
「そうですね。ただ、ちょっと結果は進行しているという診断になってます」
「なるほど」
私は少し考えるように、顎に手を当てた。
「まあ、検査のたびに結果を気にするのもなんなので、内視鏡で削っちゃってください」
門田先生は、いきなり結論を言うとは思っていなかったようだった。
「あ、そうですか。まあ、ちょっと状態を説明しますね」
そう言うと、内視鏡検査の画像をパソコンに映し出した。