Amazonベストセラー『がん治療選択』の続編を綴る。
10月29日(木)
生検の結果を聞きに、国立がんセンター東病院に行く。前回、内視鏡でいくつもの場所の組織をとっていただけに、再発を告げられる覚悟をもってこの日を迎えた。
午前9時すぎ、いつものようにエントランスのドトールコーヒーで朝食をとっていると、呼び出し端末が鳴る。急いでサンドイッチを口に押し込み、診察室に向かう。
小島先生は、今日も落ち着いた雰囲気で座っている。
「生検は問題ないですね」
その言葉を聞いて、とりあえず胸をなでおろした。ただ、前回、CTでリンパに残存ガンのような影が2個、残っているという話だった。
「先生、残存ガンはどうなってますかね」
「いや、消えているかもしれません」
「そうすると、何もしなくていい?」
「まあ、もし大きくなるようだったら、手術か抗がん剤での治療になりますね」