数カ月ぶりにCT検査を受ける。
これで、再々発ガンがどうなっているのかが、だいたい分かる。
前回のCT検査では、4個あったガンのうち、一番大きいガンは変化がなかったが、残りの3つが縮小した。抗がん剤(オプヂーボ+ヤーボイ)の効果があったわけだ。
そのため、継続して抗がん剤を打ち続けてきた。
はたして、そのまま抗がん剤が効いているのかどうか。
診察室に入ると、K医師はまず、今朝の血液検査の結果から説明を始めた。
「血液は正常に戻ってますね」
前回の血液検査で、CK(骨格筋の酵素)が異常値に上昇して、抗がん剤治療が延期された。抗がん剤による副作用で、脳血管や心臓が損壊したことも疑われた。結局、直前の筋トレが原因だったということで、2日遅れで再開された。今回の血液検査では、CKの数値は正常に戻っていた。
で、問題のCTの結果が告げられた。
「結論から言うと、CTは変わらなかったです。良い意味ですよ。悪くもなってはいないし、前回同様、残っている所(腫瘍)は相変わらずですね」
良い意味で……。その微妙な表現が気になる。「大きくなっていないこと」を前向きに評価するという意味だろう。
だが、こちらの本音を言えば、ガンが縮小し続けることを期待していた。
縮小しなくなったことは、薬が効かなくなったのではないか?