深夜2時、iPhone届く

au (文:金田 信一郎)

ふと気づいたのは、日が落ちた19時49分のことだった。自宅に届くはずのiPhone16が、まだ届いていない。私はauからのメールを確認した。

「発送完了のお知らせ」

と題したメールが本日13時50分に届いている。配達時間は18〜22時。もうその時間である。

嫌な予感がした。

というのは、ネットでiPhone16を購入したのは、前日のことだ。サポートデスクと電話で話しながら、買う決意をした。

「では、配達日時を指定してください」

そう言われ、スマホの画面で選択肢を見ると、翌日の日時が表示された。明日でも大丈夫なの?

担当者は一瞬、詰まった。

「はい、画面に出ているなら」

うーむ。これってSIMも同梱するんだから、準備が必要なはずだ。翌日配達って可能なのか?

まあ、配送体制が整備されて超スピード配送できるのだろう。

で、一番遅い時間帯を指定した。そもそも私はヤマトでも佐川でも、最も遅い配送時間を選択する。家族は仕事でパンパンなので、自分が自宅待機するしかないからだ。

スマホ画面には18〜22時と表示されている。22時って遅くねえか? 普通、21時までじゃね。まあ私は夜型だからいいんだけど。

で、無事ネット購入が完了した。

日付が変わって本日の昼過ぎ、喫茶店で原稿を書いていると、前述の「発送完了」メールを受信する。

おお、ちゃんと届くんだ。

18時前、自宅に戻り、2階の書斎で資料を読みながら待った。

で、気づくと2時間が過ぎていた。変だぞ。私の自宅は、ヤマトでも佐川でも早めに届くことが多い。配送所が近くにあるからだ。

だが、今回はいつもと違う。

メールを読み返してみる。そこに配送番号が記載されていて、配送会社のサイトに行けば、配達員の状況が確認できるという。

で、それを見て仰天した。

地図アプリには、配達員の現在地が赤いマークで示されていた。それが北池袋を指している。うちは、南西約20キロメートルの三鷹っすよ。

週末だし、まっすぐ来ても1時間近くかかるよね。まあ、それでも予定時間内ではあるが。

で、20時6分、再び配達員の位置を確認する。

要町……。ほとんど進んでねえじゃんかよ。

考えてみれば、iPhone16発売から1週間ちょっとだし、かなりの人が注文してる。auで買った人も多いだろうから、トラックに積んだらすごい量だろう。

20時10分、位置を確認する。

え! 北池袋に戻ってんじゃんか。何やってんだよ。まさか事故ったんじゃねえだろうな。それで、営業所に戻ったとか。

いや、あまりに大量の配達に困って、ほかの配送車も出動することになり、受け渡しに戻ったのかもしれんな。それならスピードアップする。そう願うしかない。

20時22分。北池袋のあたりをウロウロしている。マジか。ヤバいぞ。これで22時に間に合うのか。

てか、まさか22時を回るってことあるのか? 昨日、担当者が言った、「画面に出ているなら……」という不安げな声が脳裏をよぎる。

そういえば、その担当者が「本人確認郵便で送るので、免許証を見せてください」って言うから、てっきり日本郵便だと思っていたが、どうやら違う。配送会社は「ピックゴー」。それ知らんぞ。ネット検索する。うーむ、ここ、空いている配送業者をネットでつないで仕事を回しているらしい。おいおい、大丈夫か。

もう考えるのはやめよう。配達待ちでハラハラしても、しゃあねえやろ。時間のムダや。

だが、気になってチラ見する。

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