再発の行方(38)

気持ち、小さい? (文:金田 信一郎)

朝、病院のドトールでアイスラテを飲みながら、内科の診察を待っていた。

いつもは血液検査の結果を聞いて、そこで大きな問題がなければ、そのまま通院治療センターで抗がん剤を打つ。

だが、今日はいつもとは違う。

先週のCT検査の報告を受ける。

腫瘍を抑え込めていればいいが、効果が薄れて増大している可能性はある。この待ち時間で、どんなリスクがあるのか思い浮かべ、厳しい結果になっても頭が真っ白にならないよう、想定問答を繰り返す。

これまで、実際に縮小効果が止まって、横ばい(現状維持)になったことがあった。

呼出機が鳴る。

カップをゴミ箱に入れ、診察室に向かう。

「失礼します」

「おはようございます。体調はどうですか」

「はい。お陰様で、いいです」

そう答えると、K医師はちらりと血液検査の紙を見た。

「血液の方も、特に悪いところはなくて、CTも気持ち、少しだけ小さくなったのかな、というところですね」

気持ち、少しだけ小さくなった……。

ふーっと息を吐いた。

「で、先生、どのぐらい小さくなったんでしょうか?」

K医師が画面にCTの画像を映し出す。

「この一番左のが……」

画面に3つの画像が、横に並んで映っている。

K医師が一番左のCT画像をゆびさす。腹部の断面画像で、白く映った腫瘍を指さす。

「ちょっと小さくなったかもしれないですね。前回がこれですから」

そう言って、今度は中央の画像の白い腫瘍を指さす。

両方を見比べると、中央の画像の方が腫瘍が大きい気がする。

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