朝、病院のドトールでアイスラテを飲みながら、内科の診察を待っていた。
いつもは血液検査の結果を聞いて、そこで大きな問題がなければ、そのまま通院治療センターで抗がん剤を打つ。
だが、今日はいつもとは違う。
先週のCT検査の報告を受ける。
腫瘍を抑え込めていればいいが、効果が薄れて増大している可能性はある。この待ち時間で、どんなリスクがあるのか思い浮かべ、厳しい結果になっても頭が真っ白にならないよう、想定問答を繰り返す。
これまで、実際に縮小効果が止まって、横ばい(現状維持)になったことがあった。
呼出機が鳴る。
カップをゴミ箱に入れ、診察室に向かう。
「失礼します」
「おはようございます。体調はどうですか」
「はい。お陰様で、いいです」
そう答えると、K医師はちらりと血液検査の紙を見た。
「血液の方も、特に悪いところはなくて、CTも気持ち、少しだけ小さくなったのかな、というところですね」
気持ち、少しだけ小さくなった……。
ふーっと息を吐いた。
「で、先生、どのぐらい小さくなったんでしょうか?」
K医師が画面にCTの画像を映し出す。
「この一番左のが……」
画面に3つの画像が、横に並んで映っている。
K医師が一番左のCT画像を指さす。腹部の断面画像で、白く映った腫瘍を指さす。
「ちょっと小さくなったかもしれないですね。前回がこれですから」
そう言って、今度は中央の画像の白い腫瘍を指さす。
両方を見比べると、中央の画像の方が腫瘍が大きい気がする。